ルビーとサファイアは同じ組成に分類される
宝石業界以外の方には、ルビーとブルー・サファイアは全く違う宝石、と信じていることと思います。宝石業界の人は、両者は同じもの(組成)で単に色が違う、ということを知っています。
本体の組成は同じなのに、色によって違う名前がつけられている宝石があります。この状態、現象を変種(バラエティ)といいます。それぞれの宝石を変種同士と言います。ルビーとブルー・サファイアは兄弟姉妹の関係です。両者の親をコランダムと言います。
純粋のコランダムは無色透明です。このコランダムにわずかなクロム元素が混入しますと、ルビーになります。わずかな鉄とチタンが混入しますと、ブルー・サファイアになります。
多色あるルビーとサファイアの兄弟姉妹
ルビーとブルー・サファイアの兄弟姉妹は他にもいます。下の表は色の違いによっていろいろな名前があることを示しています。
色相 | 宝石名 |
赤色 | ルビー |
青色 | ブルー・サファイア |
ピンク色 | ピンク・サファイア |
オレンジ色 | オレンジ・サファイア |
ピンク色~オレンジ色 | パパラチア(パパラチャ) |
緑色 | グリーン・サファイア |
黄色 | イエロー・サファイア |
紫色 | バイオレット・サファイア |
無色 | カラーレス・サファイア |
注1:赤色以外(パパラチアは例外)は、色の名前を先頭に付けることが国際的な約束事です。
注2:パパラチアはスリランカで「蓮の花」または「夕日」を意味します。つづりは「Padparacha」です。特別に付けられた呼び名です。約束事に従って表示しますと、ピンクイッシュ・オレンジ・サファイアとなります。
本稿は無断転載禁止です。ヴィサージュジャパン 株式会社