多くの宝石で重要な構成物である二酸化ケイ素

シリカとは何でしょうか? シリカは宝石に関係する人(宝石をビジネスにする人、宝石を学んでいる人)にとって重要な言葉です。
最近の広告(ネット広告、テレビ広告、新聞広告等)で、シリカという言葉を聞いたり、見たりする機会に出会うようになりました。

右の写真は「のむシリカ」という広告の一部です。シリカを上手に摂れる(摂取できる)飲料水という広告です。
霧島連山(鹿児島県)の天然水でシリカやバナジウムを豊富に含んでいる、とのことです。(有限会社キューボー、兵庫県神戸市)

宝石業界においてシリカは重要な位置を占めています。身近な宝石(貴石及び半貴石)として水晶、めのう、オパールなどが挙げられます。これらの宝石を構成しているもの、形造っているものはいずれもシリカです。
シリカとは二酸化ケイ素(SiO2)のことです。このシリカの状態は、水晶、めのう、オパールで少し違いがあります。シリカは結晶、潜晶質、非結晶(非晶質)のいずれかの状態で産出します。結晶の場合は水晶、潜晶質の場合はめのう、非結晶の場合はオパールです。
結晶とは、シリカを構成している元素、ケイ素(Si)と酸素(O)の原子が規則正しく並んでいる状態をいいます。その結果、結晶の外観は平らな面で囲まれ、美しい形で産出します。小さい頃、初めて水晶の結晶を目にした人はその美しさに魅せられます。
潜晶質とは結晶が潜んでいる状態、結晶が顕微鏡サイズの小さい状態を言います。その結果、めのうは塊状(かたまり)で産出します。
非結晶とは原子が不規則な状態です。宝石の中では非結晶は非常に珍しいです。

産業界にも重要な鉱物シリカ

シリカは産業界にとっても重要なものです。シリカからシリコン(Si)を取り出して、シリコン・ウエハーを造り出します。シリコン・ウエハー基板(薄い板)に超微細な電子回路を作成します。私達が利用している携帯電話などの小型化に貢献しています。
シリカは私達の大地を構成しています。私達が日常的に接している鉱物(水晶、めのうなど、宝石質ではないもの)です。私達の衣服や住居に微粉末、チリ、ゴミとして存在しています。シリカの硬さは7です。(一般に硬さはモース硬度で表示されます。モース硬度はドイツの鉱物学者・モースが提唱した硬さの基準です。その硬度は1から10まであります。) スリ傷や摩耗防止の視点から、宝石はシリカの硬度よりも硬いことが望ましいと言えます。ルビーやブルー・サファイアの硬さは9です。ですからシリカのゴミより硬いです。それゆえ、これらの宝石のテーブル面は傷が付きにくいと言えます。

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