日本語名でザクロ石、真っ赤な柘榴の実を思わせる赤色宝石の代表格こそガーネット。ルビーとは異なる影のある深いレッドが美しいガーネットですが、実はガーネットはその化学組成により多くの種に分かれます。

今回ご紹介するのはまさかの透明のガーネット!ガーネットなのにカラーレス、そんな斜め上を行く不思議なガーネットをご紹介していきましょう。

リューコガーネットの特徴を解説!色がない理由からその意味とは?

まずガーネットの中で価値が高くて美しいレアストーンを挙げるならば、ロシア産の美しいエメラルドグリーンが特徴のデマントイドガーネットでしょうか。

それではそれ以上に少なく手に入りにくいガーネットはという質問に対しての回答は?

はい、それこそ今回の主役リューコガーネットなのです。果たしてそれはどんなガーネットなのでしょうか?

原石も白!ホワイト系ガーネット、リューコガーネットについて

無色透明のものはほとんどありません、しかし限りなく無色に近いイエローのカラーレスに近いガーネットをリューコガーネットと呼んでいます。潜在的にガーネット=赤色と思いがちなので、色が抜けたガーネットがあることに驚く方は少なくありません。

気になるネーミングの「リューコ」ですが、ギリシャ語で白を意味する「リュコス」から由来しています。ただしリューコガーネットはいわゆる商業ネームであり、鉱物学的にはウグランダイト系のグロシュラーガーネットに属しています。

グロシュラーガーネットは、ヘソナイトと呼ばれるオレンジ系、ツァボライトと呼ばれるグリーン系に半透明の緑色を呈するハイドログロシュラライトなどの希少なガーネットがズラリ。その中でも特にレアなのがカラーレスのガーネット、つまりはリューコガーネットと言われています。カラーレスまたはホワイトガーネットとのコマーシャルネームも持ちますが、鑑別機関の鑑別書ではあくまでグロシュラーガーネットとの鑑定がでるはずです。

産出地はタンザニアやミャンマーなどに限られており、その多くは無色透明というよりも、カラー基準で言えばイエロー、褐色、ピンク色を帯びているものがほとんどなのです。その為、ニアーカラーレスリューコガーネットのような若干苦し紛れなネーミングで販売されることも少なくありません。

リューコガーネットはどこで販売されている?その値段に価値はどれ位?

リューコガーネットは何度も言うように非常にレアなガーネットです。ガーネットに強いルースショップや鉱物フェア等でもなかなか見つからず、それらは幻のガーネットともしばし揶揄されています。

それでもしばし販売されているリューコガーネットは非常に重量の小さなルースであり、1カラット程度のものが中心です。基本的に褐色、イエロー味のあるカラーレスが多く、無色透明のものはほとんどないので、その薄く色づいた淡い色合いを楽しむ、そんなスタンスの宝石と言えます。

蛍光性があるリューコガーネットもありますが、その有無というよりは、いかに内包物が少なくダイヤモンドのカラー基準Dカラーに近い色を持っているのかが、その価値を決める基準になります。

無色ではあるけれど目立つインクルージョンがある、またはイエローに近いリューコガーネットなどは1カラット程度で約数万~10万円程度で取引されますが、さらに透明度の高いジェムクオリティーのものはそこれそ数十万程度で販売されることも珍しくありません。
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リューコガーネットの楽しみ方!原石、ルース、それともジュエリー?

カラーレスのグロシュラーガーネットをリューコガーネットと呼びますが、果たしてどんな形でこのレアガーネットを愛でるべきか……、正直悩むところ。

何度も言う通り、ガーネット族の中でも1,2を争うくらいの珍しさを誇るガーネットです、それこそ手に入れることができる方こそ限られますが、ここではリューコガーネットの慈しみ方、愛で方、そして注意事項についてお話していきたいと思います。

ホワイトガーネットはルースで楽しむのがベスト?

そもそも限られた産地でしか産出されないこと、そしてそれらが供給される場が非常に限られていることもあり、コレクター向きのガーネットであることは言うまでもありません。

ガラス質の透明感がある宝石ではありますが、インクルージョンが多く、前述の通り無垢なホワイトカラーというよりはイエローがかったものがほとんどです。ファセットカットを施すことで非常にテリのある輝きを見せるようになるリューコガーネットですが、それを一番実感できるのはやはりルース!

コレクターの為のガーネットと呼ばれるガーネットだからこそ、内部に内包する物質をルーペで見極め、そしてその微妙なライトイエローの味わいを吟味するのがリューコガーネットの楽しみ方。特にリューコガーネットは紫外線に当てるとピンク~オレンジ色の蛍光性を示すこともあり、ブラックライト下での輝きも見物です。

宝飾品はオーダーメイドがメイン

極稀にですがリューコガーネットをセットしたシンプルなリングを見かけます。しかしこれらは通常コレクターが所持していたルースをリング等に仕立てたオーダー品であり、メーカーが供給しているジュエリーではありません。

基本的に硬度は6.5、劈開性もない為、宝飾品加工には特に問題はなく、コレクターさんはしばしヘソナイトやデマントイドガーネットなどのレアガーネット族を合わせてジュエリーに仕立てることもしばしば。

ジュエリーに宝石はそれこそ自己満足の世界です。スルメのように味わい深いガーネット、そこの世界にはまり込んだその時、きっと婚約指輪はDカラーのリューコガーネットプラチナリングをおねだりする時期かもしれませんね。
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まとめ

ガーネットマニア眉唾物の石、それがリューコガーネット。なかなか目にすることはありませんし、そもそもリングやピアスなどにセットされることはほとんど皆無の幻のガーネットと言っても過言ではありません。

ガーネットは非常に多くの種に分かれていて、それぞれが非常に面白い個性を持ち合わせている宝石です。購入することはできなくとも、もしあなたがジェムフェアーなどに足を向けることがあれば、ぜひ透明なガーネットを探してみてはいかがでしょうか?
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