【宝石講座020】スフェーン

特徴

1. この石の外観は、黄緑色を基調として強いファイアによる虹色と強いダブリングによるファセットの重なりで、他の石では見られない「キラキラ感」に特長があります。
2. ルーペでこの石を観察しますと、極めて大きなダブリングを持つため、ファセット・ラインが数ミリ離れて見えます。
3. 強いファイアは、この石自身が黄緑色の色相を持つために、基本的に隠されています。（もし、無色透明なら、この強いファイアを容易に感じることができると思います。）
4. 硬度が低いというネガティブ（負）の特徴を持ちます。しかし、このネガティブを超えて「キラキラ感」を求める宝石愛好家も多いです。

その他

1. 硬度

モース硬度５．５。

2. 屈折率

最大屈折率２．０３。最小屈折率１．９０。複屈折量０．１３。

3. 発色

着色は主に鉄によると推測されています。この他、バナジウムが原因しているとも考えられています。

4. 化学組成

ＣａＯ・ＴｉＯ２・ＳｉＯ２。チタン（Ｔｉ）を含む特徴があります。チタンを含むために「チタナイト」（Titanite）とも呼ばれています。

5. 分散

０．０５１。（ダイヤモンドは０．０４４）（数値が大きいと、より虹色）

6. 産地

ブラジル、パキスタン、アフガニスタン、スリランカ、マダガスカルなど。