人は何に美しいと感じるのか

宝石の三大条件は、①美しさ、②希少性、③硬さ です。宝石の最大の魅力は美しさにあります。一目見て、「美しい」と感じさせるところに宝石の良さがあります。
美しいと感じ、そして次に私も欲しいと思わせれば、その宝石は価値あるものといえます。
美しい宝石は、なぜ美しいのでしょうか? もう少し深堀すれば、宝石はどこかに美しさの理由を持っているはずです。美しいと思わせる理由があるはずです。今回は宝石の美しさの奥に迫ってみます。

ダイヤモンドは輝きが美しい

先ず、宝石の王様と言われるダイヤモンドを例にとって、美しさを追求したいと思います。百貨店の宝石コーナーや宝石専門店のショー・ケースに飾られているダイヤモンドを見ると、美しいです。手にとって指にはめ、動かすとそのダイヤモンドは一層光り輝きます。このとき、ほとんどの人はダイヤモンドを美しいと感じます。
ダイヤモンドは美しい、と感じさせる要因は三つあると言われています。次の通りです。
  (1)ブライトネス(光輝、白色光輝)(静的輝き)
  (2)シンチレーション(きらめき)(動的輝き)
  (3)ファイア(分散)(虹色効果)
ダイヤモンドを美しいと感じさせる最大の要因はブライトネスです。良質のダイヤモンドを上から見ると、まぶしいほどの輝きがあります。

透明で鮮烈なカラーストーンの美しさ

次にルビーやブルー・サファイア、エメラルドなどの色石を例にとって、その美しさに迫ってみたいと思います。良質なルビーは鮮烈な赤色です。ブルー・サファイアは鮮烈な青色です。エメラルドは鮮烈な緑色です。各石とも明白な色を主張しています。あいまいな色ではありません。
さらに透明感は美しさに大きな影響を及ぼします。例えば、透明性が劣るルビーを見ても、人は美しいと思いません。人は透き通るような透明性に美しさを感じるようです。
無色透明な拳サイズのガラスの塊をポツンと置いていても、その透明感のある塊を見て、人は惹きつけられ、人は美しいと思います。

虹色の美しさ

人は虹色にも美しさを感じます。雨上がりに突然に現れる空の虹(7色、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫)に感動し、美しい光景にしばし足を留めます。宝石の中に虹色を示すものがあります。七色が同時に現れるわけではありませんが、数色が現れる石があります。それはオパールです。
人は光り輝くものに対して美しいと感じ、鮮やかな色に対して美しいと感じます。そして透明性を持つものに魅力を感じます。
合成宝石は美しいです。美しさだけを取り上げれば、天然石より合成石が美しいです。しかし、人の思い、感情、考えは複雑です。希少性という視点では、合成石は除外されます。さらに、天然石には不純の美がある、と言う人もいます。

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