ダイヤモンドの輝きを生み出す理想のカット

1919年、トルコフスキー(Marcel Tolkowsky)(ベルギー生まれ、アメリカ移住)はダイヤモンドを最も美しく輝かせるカットを発表しました。このカットは「アイデアル・カット(理想カット)」や「トルコフスキー・カット」と呼ばれています。
古くからの重さ(カラット)を重視する考えから、最大限に美しく見せることを重視した考えに変えました。トルコフスキーはダイヤモンドの研磨職人であると同時に光学者、数学者でもありました。
アイデアル・カットの寸法、角度などは下図の通りです。

宝石学者の中には、このカットが必ずしも「アイデアル・カット」ではない、と言う人もいます。しかし、ダイヤモンドのカットについて、今でもトルコフスキーが提唱したこのカットが基本になっています。

ダイヤモンドの美しさを数値化する

手元にあるルースのダイヤモンドについて、寸法比率や角度を知りたい場合、鑑別機関に依頼すると、自動計測機で測定してくれます。
アイデアル・カットは、ダイヤモンドが持っている高屈折率と高分散を活かして、ブライトネス(静的光輝)、ファイア(虹色効果)、シンチレーション(動的光輝)を最大限、かつ最良のバランスを引き出すように工夫されています。
流通しているダイヤモンドのカットについて、アイデアル・カットを基にして評価されます。アイデアル・カットの数値から外れると、減点法で評価が下がります。

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