綿で作られたパール

一般雑誌や通販カタログなどにときどきコットン・パールの写真が掲載されています。また、街のショップなどでもこの商品が展示されています。
では、コットン・パールとは何でしょうか。コットンは綿、パールは真珠という意味ですから、綿を主体として造られた真珠ということになります。下図の写真の通り。

真珠の定義は、真珠貝の生体内で作られ、真珠層を持つもの、とされています。
コットン・パールは、生体内で作られたものではありません。真珠層もありません。

真珠及び真珠類似品は次のように分類されています。
 (1)天然真珠
 (2)養殖真珠
 (3)模造真珠
コットン・パールは模造真珠に属します。養殖真珠の核(素材は貝殻)に相当する部分がコットンで形成されています。真珠層部分は樹脂(酸化チタンなどを添加)を使用しているものと推測されます。

コットン・パールの作り方

コットン・パールの製造工程を類推しますと、次の通りです。
①細い金属棒にコットン(綿)製の繊維を巻き付けて、球状に仕上げる。
②次に球状コットンの表面にエポキシ樹脂液を塗布し固める。
③表面を硬化させた後、外観が真珠層に見える素材(樹脂+酸化チタンなど)を吹き付ける。

コットン・パールの特長

①非常に軽い、②価格が安い、③本真珠では得られない風合い(外観)を出せること。

コットン・パールの断面

コットン・パールを切断して、内側を観察してみます。すると、紐(ひも)状、糸状の繊維で構成されていることが判ります。外側には薄い層が見られます。断面写真は次の通りです。


ホワイト・タイプ

ブラック・タイプ
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