鉱物を語る上で欠かせない硬度という要素、特にジュエリーに加工する上では無視できない大切な要素になっています。

ダイヤモンドのモース硬度が10であり非常に硬い鉱物であることは皆さんご存知かもしれませんが、果たしてその逆のパターンはいかがなものなのか?今回は世界で一番柔らかい宝石について解説していきたいと思います。

世界で1番脆い鉱物タルクとは?その成分から用途まで

突き詰めるとダイヤモンドより硬度の高い鉱物もあるのですが、ダイヤモンドは硬度10という非常に硬い宝石として知られています。つまりダイヤモンドはダイヤモンド同士でしか削ることができないということです。

しかしその逆に簡単にポロポロと傷がついてしまい取り扱いに神経質にならざるを得ない脆い鉱物の代表例がタルクという石。あまり聞いたことがないという方も多いと思うので、ここではタルクという鉱物の特徴からその加工までを検証していきたいと思います。

タルク、和名滑石の鉱物学的特徴と気になるモース硬度

モース硬度という鉱物の硬さを示す数値の中で、一番柔らかい鉱物として知られているのがタルクです。和名で滑石と言い、白い乳白質のまるで蝋燭のような色合い、肌触りが特徴的。

ケイ素と水酸化ナトリウムを中心とした化学組成のケイ酸塩化合物であり、その光沢はまるでパールのような輝きを見せます。基本的に白いタルクが多いのですが、不純物が混入することで緑や灰、黄色や青色を見せることも少なくありません。

モース硬度1の基準石となる重要な鉱物であり、爪で押し付けると簡単に傷がついてしまうほどの柔らかさがゆえ、その加工は難ありということはもはや言うまでもありません。

ただし時間が経過して古くなったり、不純物が多く含入、熱処理を施すことで、その硬度は若干高くなります。

パキスタン、インド、ネパール、オーストラリアにブラジルなど様々な場所で産出されますが、透明な結晶質のものはフランスやイタリアなどで産出することで知られています。

えっ、こんな使い方?その柔らかさを活かしたタルクの用途まとめ

まず基本的にタルクは宝飾品に加工されることはほとんどありません。それではどんな用途で使われるのか?という疑問の回答に答えていきたいと思います。

まずタルクは私たちの日常生活に意外と隠れているもので、主に減摩材、製紙、セラミック材、ベビーパウダーや医薬品などに使われています。今ではあまり見かけませんが、真っ白な粉塵を飛ばしながら黒板に文字を描いた、そんなチョーク材もタルクが成分なのです。

またタルクはその柔らかさを活かして、彫刻素材としても多く使われています。しばし子供の歴史体験向けメニューの一つとして、タルクを使った勾玉作りが行われていることは興味深いですね。

最近分かったことですが、フランスに渡り大きな成功を収めた日本人画家藤田嗣治の裸婦像に特徴的な乳白色の光沢は、ベビーパウダー由来のタルクが使われてことが判明しました。約150年も前に思いもよらない形で、タルクが偉大なる絵画作品に秘密の技法として使われていたことには驚きですね。

タルクが本気を出せば宝飾品加工もOK!その具体例から注意点まで

タルクは通常宝飾品として流通することはほとんどないと紹介しましたが、実際は少ないながらも品質の高いタルクはしばしネックレスやブレスレットとして販売されることがあります。

ここではそんなコレクターズアイテムとしてのタルクではなく、普段使いができるタルクジュエリーについて解説していきたいと思います。

ピンクタルクのジュエリーが巷で人気!?

まるでイチゴミルクキャンディーのような外観。コンクパールもしくはピンクオパールのような淡いピンク、「えっ!、これもタルクなの?」と驚きの美しさ。

タルクは不純物によりピンク色を呈するものもあり、それらは宝飾品市場でも人気が高く、種類こそ限られますがジュエリーとして加工することも可能です。

その殆どはビーズ状に研磨されたもので、ネックレス、ブレスレットとして流通しています。皆さんの中でピンときた方もいると思いますが、その淡い恋の開花を思わせるようなピンク色はローズクォーツやロッククリスタルなどと共にパワーブレスとして、女性に人気のアイテムとなっております。

新しい恋愛をしたい!もしくはローズカラーのジュエリーを身に着けて毎日を落ち着いて過ごしたい、そんな方にはオススメのジュエリーと言えるでしょう。

タルクジュエリーを取り扱う上での注意点とは?

ジュエリーとしてタルクを日常的に身に着けている方はそこまで多くはないはず。しかしこれがタルクなの?と思わずにはいられないキュートなピンクタルクは、KAWAII好きな女性のハートをガッチリ掴むことでしょう。

ただし何度も言うようにそのモース硬度の低さがゆえの脆弱さ、更には一方向に割れやすい劈開性も非常に強いので、その着用には留意しなければなりません。

軽く爪で引っ掻いただけでも傷がつく、どこかに落とせば簡単に欠けてしまう脆さなので、特にブレスレットとして着用する方はその点に神経質になる必要があります。

儚い恋をじっくり時間をかけて育んでいくように、ピンクタルクの扱いも同様に最新の注意と愛情を注いであげることが大切です。

まとめ

タルク、和名で滑石。あまり聞いたことがない鉱物ですが、実はベビーパウダー、漢方薬にチョークなど私たちの身の回りにその加工品があったとは驚きですね。

その柔らかさががゆえに宝飾品として加工されることはあまりなく、いわゆる彫刻や鉱物マニアのコレクターアイテムとして人気を集めています。

ただ前述のように美しいペールピンクに輝くタルクはパワーブレスやネックレスとして販売されることもありますが、爪で簡単に傷がついてしまうので取り扱い、保管には十分注意が必要ということを忘れてはなりません。