オニキス、名前は勿論知ってる。でもオニキスのジュエリーは持っていない。輝くファイヤーもギランギランに揺らめくシンチレーションも感じない、まるで宇宙空間のブラックホールの如く深い黒に彩られたオニキス。

今回はジュエリー好きでも好き嫌いが二つに分かれてしまう、漆黒の宝石オニキスの魅力に特徴を今一度徹底検証!黒光りするオニキス、実はこんなにジュエリー映えする宝石だったんです。

オニキスって何だっけ?

昔祖母の指に光っていたオニキスを思い出すことがあります。なんだかクールでかっこいい宝石だなというのが個人的な印象でしたが、それ以来あまりオニキスという宝石に意識を向けることはありませんでした。

黒い宝石と言えばブラックダイヤモンド、ジェット、ブラックスピネル、ヘマタイトなどが挙げられますが、やはりオニキスはその中でも不動の人気と歴史を誇る宝石として知られています。

ここではそんな忘れかけていたオニキスの魅力についてご紹介していきましょう!

オニキスの鉱物学的特徴について

ギリシャ語で「爪、縞」を意味するオニキスは、ブラックアゲート(黒瑪瑙)、ブラックオニキス、オニキスなどの名前で流通しています。

私たちは真っ黒な宝石をオニキスと思い込んでいますが、本当の名前はブラックアゲート(黒瑪瑙)のことを言い、黒地に白~灰色の縞があるものを指します。

つまり本当の意味でのオニキスはブラックアゲート(黒瑪瑙)ですが、私たちが思い浮かべる漆黒のオニキスは、縞模様のない真っ黒のブラックカルセドニーという宝石なんです。厳密にいえばブラックカルセドニーはオニキスではありませんが、ジュエリー市場でオニキスとして売られてきたため、そのままオニキス=真っ黒な漆黒の宝石として定着してしまったというわけです。

なお宝石品質の真っ黒なブラックアゲート(黒瑪瑙)は非常に少なく、多くの場合は縞模様をトリートメント処理で着色したものが多く流通しています。

なおブラックアゲート(黒瑪瑙)のモース硬度は7程度ですが、はその縞模様や層によって異なる色のグラデーションを生かし、カメオやインタリオとして彫刻されることも少なくありません。

因みにブラックアゲート(黒瑪瑙)を含むアゲート(瑪瑙)は、幼児の唾液を増やすというありがたいのか、ありがたくないのかちょっと判断しにくい、医学的な力があると信じられてきました。
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オニキスは男性にも愛されるカジュアルさが魅力

オニキスはその落ち着いた佇まいから、女性だけでなく男性にも人気がある宝石です。ここではメンズジュエリーとしての可能性から、オニキスが持つ神秘的な力について解説していきたいと思います。

ビジネスに奔走する男性にオススメな理由

ジュエリーは男性のバックルや帽子飾りから発達したと言われていますが、時代を遡るにつれ、それらは女性の美しさを引き立てるツールとして移行してしまいました。

現在メンズジュエリーとして機能しているのは大振りのリングやブレスレット、タイピンやカフスリング位。

しかしオニキスのジュエリーはモダンな印象だけでなく、装飾的な輝きを欠いた鉱物学的特徴があるので、メンズジュエリーとしても多用されています。オニキスのピアス、リングに数珠状ブレスレット……。

シルバーとの相性も大変よく、毎日を忙しく駆け回っている男性ビジネスマンのオシャレとしても十分楽しめるはず。

深みのあるクールなブラックだからこそ、デイリーユースでもちょっとした会合や出張時にも、自己主張し過ぎない、そんな控えめだけど、圧倒的な存在感を持つオニキスは、その宝石言葉「成功、厄除け」通りに、ビジネスパーソンのお守りとしても人気を集めているのです。

実は魔除けとしての利用もOK

オニキスがヴィクトリアン期に死者を哀悼するためのモーニングジュエリーとして利用されてきました。悲しい出来事があった時、どこか漆黒のブラックが心を鎮めてくれる、そんなパワーを感じることもあるはずです。

現代ではモーニングジュエリーとして使われることはありませんが、パワーストーンとしての需要は非常に高く、これは古来から伝わる魔除けとしての側面が強いと考えられます。

理性の石とも呼ばれるオニキスは、周りからの嫉妬や羨望など負のスパイラルを断ち切る力があると信じられており、自身の感情が乱れがちで自分を失ってしまいそうな時にこそ心を平静に保てる、一種の精神安定剤的な役割を担っているのです。

ジュエリーとパワーストーンは似て非なるものだと思っていますが、特にオニキスは魔除け要素が強い宝石として利用されているので、少しの願いかけ、またはお守り代わりにオニキスのジュエリーを身につけてみるのもいいかもしれませんね!
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まとめ

今回はシックで落ち着いた印象が魅力のオニキスについて解説してみました。ブラックアゲート(黒瑪瑙)とブラックカルセドニーは非常に混同しやすいですが、同じシリカグループの為にあまり重要視されていない印象があります。
地味な印象を隠し切れない宝石ではありますが、実はモダンジュエリーには欠かせない宝石として重宝され、そしてメンズジュエリーとしても人気が高いジュエリーなので、お守り代わりに携帯するのもいいかもしれませんね!
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