エレガンス、それは意識してもなかなか振舞いに現れない女性の淑やかさを形成する一つの要素。今回はそんなエレガンスな立ち居振る舞いをそっと応援してくれる、そんな素敵なジュエリーモチーフ「百合」についてのお話をしたいと思います。
気品溢れる百合のモチーフ、実はあの王家と繋がりが深いデザインだったんです!
Contents
ジュエリーデザインに多用される百合モチーフとは?
ドレスにジュエリー、実は様々な分野で百合モチーフが応用されています。特にジュエリーにおける百合モチーフはその可憐なデザインが、地銀、宝石の美しさを際立たせる要素になっているのです。
ここではそんなモチーフを、歴史をいう観点から紐解いていきたいと思います。
百合とフランス王家の関係性とは?
百合、どこか女性の花園のイメージがある、非常に可憐で優雅な多年草。日本だけでなく世界で栽培され、その種は130品種を超えると言われています。
一言で百合と言ってもどの品種を指すのかは定義することはできませんが、ジュエリーデザインのモチーフとしては、非常にポピュラーで長い歴史を誇っているのです。
西洋では百合は家紋にもよく使われ、あのジャンヌダルクの旗にも使われています。しかしその歴史はジャンヌが生きた時代よりもっと古くまで遡ることができ、その発祥は5世紀頃。
聖母マリアがフランク族の王に百合を授けたという、ありがたい伝説が起源です。この手の伝説、言い伝えはいくつか伝わっていますが、そのどれもがフランス地域の君主を崇めるために、若干盛って流布していったと考えていいと思います。
しかし500年頃には既にフランス王家で百合の紋章が使われ、それ以降共和制に移行するまでの長い期間、様々なシーンで百合のモチーフが多用されていくことになるのです。(フランス王家のブルボン朝はフランス以外のスペインやルクセンブルグ、イタリア等の王朝の源になっており、これらの王家でも百合のモチーフが使われています。)
なおこの百合モチーフは一般的にフルール・ド・リスと言い、フランス王家の象徴であり、現在もフランスの国花として愛されています。
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モダンジュエリーとして百合デザインが女性に映えるその理由
意識してジュエリーを見てみると、「あっ、こんなところに!」と百合モチーフを見つける時も少なくないはず。古典的なモチーフでありながら、実はモダンジュエリーとの相性が抜群の百合デザイン。
気品ある女性の魅力を引き立てる、そんな百合モチーフ、なぜ現代人女性に人気を博しているのか、ここではその魅力について考えてみたいと思います。
力強さと神秘的なデザイン性
百合のフェミニンさと同時に、ある種の神秘性を感じる方も多いのではないでしょうか。これは白百合が聖母マリアを象徴することに起因します。つまり聖母マリアの純潔性を語る上で欠かせないものが百合だったのです。
またこの百合モチーフは十字軍の旗にも使われており、イエス・キリストを表す十字架を連想させるデザインであることも、モダンジュエリーにも使われる理由の1つと言えるでしょう。
このように現代女性が理想とする強い女性の中にも、フェミニンな女性らしさをのぞかせる、そんな二面性こそ百合のモチーフジュエリーが女性に愛される要因になっているのです。
コーディネートしやすいデザインも人気の秘密
百合モチーフのジュエリーは、ザ・百合というダイレクトなデザインではなく、一つの図案を構成する部分的な装飾として使われることが多く、主張し過ぎないそのデザイン性の高さはジェンダーレスデザインへと発展していきました。
百合モチーフのもう一つの優れている点は、シンメトリーな対称性です。ジュエリーに加工されても、浮くことのない整合性はどんな洋服にもコーディネートしやすい点は見逃せません。
高級感があり優美な曲線を描くそのデザインは、アールヌーヴォー様式を思わせ、意外なほどシックリくるまとまりを、感じることができるはず。
女性にとってコーディネートのしやすさは、ジュエリーを選ぶ上での基本的要素。普遍的で変わらないデザインでありながら、女性に愛されるその理由、その秘密はコーディネート力の高さにあったのです。
まとめ
百合という2文字を眺めても、実際にそのデザインをイメージすることは難しいかもしれません。しかし決して目立ちすぎない、だけれども凛としたその図像は眺めれば眺めるほど、その美しいデザインの魅力にハッとするはず。
ジュエリーは宝石ばかりに目が生きがちですが、実は細部に施された曲線、彫刻などのデザイン性にこそ、ときめきを覚える秘密があるのです。毎日のお洒落のワンポイントアクセントになること間違いなし、あなたもフルール・ド・リスの百合物語の世界を少しだけ覗いてみてはいかがでしょうか?