ドラえもん映画といえば、冒険と友情の物語のイメージがありませんか？1980年に第一弾「映画ドラえもん のび太の恐竜」が公開されて以来数十年、次々と新作やリメイクが公開され、毎年多くの子どもたちを喜ばせてくれるドラえもん映画。いえ、子どもだけではありませんよね。私たち大人が見ても、新たに気付きがあり大切な何かを想い起こさせてくれるような名作がたくさんあります。
ドラえもん映画は、メインとなる冒険物語のほかに複数のお話を併映することが多く、ドラミちゃんが主役になるものやドラえもん以外を主軸に置いたスピンオフ的なものもあります。その中で「のび太の結婚前夜」というヒューマン映画が上映されたのをご存知でしょうか。
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映画版「のび太の結婚前夜」公開はいつ？
この映画はタイトル通り、のび太としずかちゃんの結婚がテーマとなっていて、未来に予定されている結婚式前日の出来事が描かれています。1999年の春に「のび太の宇宙漂流記」という映画と同時上映されました。上演時間は30分弱と短めですが、その中に大切なことがギュッと詰まった名作となっていて今なお人気の高い作品のひとつです。なぜしずかちゃんはのび太を選んだのか…という深い謎の答えがわかるようなシーンもあり、大人になった今見ると、子どもの時とは違った感想を持つかもしれません。
コミックス25巻に原作漫画が収録されているので気になる人はこちらをチェックしてもいいですね。
「のび太の結婚前夜」あらすじ
いつもの空き地で学芸会の演劇「白雪姫」の練習をするしずかちゃんと出木杉くん。二人の仲良さそうな熱演ぶりにのび太は「本当に僕はしずかちゃんと結婚できるのかな…」と不安になります。その様子を見たドラえもんが「そんなに心配なら未来へ確認しに行けばいいよ」とのび太を連れて結婚式当日へタイムワープ！…のつもりが間違って結婚式の前日に到着します。結婚式打ち合わせで起こるドタバタの中ではのび太の優しさが描かれているほか、夜にはメンズパーティーが開かれるなど、ジャイアン、スネ夫、出木杉くんとの男の友情も健在。その一方しずかちゃんは最後の夜をパパ、ママとゆっくり過ごします…。
いつものドラえもんファミリーとも言える主要人物の他に、この映画では特にしずかちゃんの家族にも焦点が当てられています。
「のび太の結婚前夜」で飛び出すひみつ道具
ドラえもんのポケットからは毎回いろいろな道具が出てきますよね。その道具によって巻き起こる騒動はドラえもんシリーズの見どころのひとつ。ドラえもんの四次元ポケットから飛び出してくるひみつ道具は、私たちには想像力というスペシャルな力があることを再確認させてくれます。有名なものは「タイムマシン」と「どこでもドア」ですよね。ここではそのほかにこの映画の中で使われている道具をご紹介します。あなたならどういう使い方をしますか…？
●「つれてっ手―」車などの移動手段にくっ付けることで、どこまでもけん引して連れて行ってくれる。タケコプターでは追いつけないスピードのある乗り物を追うときに有効。
●「ちょっと待っタイマー」ボタンを押すと自分たち以外の周囲の時間を止めることができる。映画では事故に合いそうになった猫のために時間を止めて助けてあげる。
ママからしずかちゃんへ…結婚前夜に贈られるパールネックレス
この映画では結婚式前夜に、しずかちゃんはママからネックレスがプレゼントされます。ママが大切にしていたと思われるそのパールネックレスは受け継がれてゆく家族愛が託されているようで、温かな気持ちになります。
このように結婚式では古いものを身に着けると幸せになるという言い伝えがあります。ほかにも花嫁の幸せを願うジンクスが４つあり、それらは「サムシングフォー」と呼ばれています。もとは欧米の文化でしたが、近年では日本の結婚式でも取り入れる花嫁が多くなりました。
サムシングフォーとは
Something old（サムシングオールド）…何か古いもの
Something new（サムシングニュー）…何か新しいもの
Something blue（サムシングブルー）…何か青いもの
Something borrowed（サムシングボロード）…何か借りたもの
この映画のネックレスは、ママから譲り受けたということで「サムシングオールド」に当たりますね。そこには娘の幸せを願う母の愛情と家族の絆が感じられます。
映画に出てくるようなクラシカルなパールネックレス
クラシカルな定番デザインのパールネックレスはシンプルで時代を越えても馴染みます。身に着ける人の年代も選ばないのでしずかちゃんもママもとてもよく似合っています。
またパールは愛情の象徴とされています。きっと原作者の藤子不二雄さんはそこまで考えてこのネックレスを描いたのではないでしょうか。
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まとめ
ドラえもん映画より「のび太の結婚前夜」をピックアップしてみました。冒険活劇だけではないドラえもん。愛と友情、そしてサムシングフォーに込められた家族の絆。子どもだけが楽しむにはもったいないような、じんわりと染み入るステキな作品です。大人になった今だからこそ観て欲しいアニメのひとつかもしれません。