1.外観特徴
ほとんどは黒色で不透明な石です。火山の噴出で、溶岩が急速に冷却されるときに生成される天然ガラスです。
ときに黒色の地色に白い花模様が分布したオブシディアンも見られます。この石はフラワー・オブシディアンまたはスノー・フレーク・オブシディアンと呼ばれています。小さな泡や金属片がたくさん含まれると、ゴールドやシルバーなどの色相が見られ、レインボー・オブシディアンと呼ばれています。
2.美しさの理由
一般的に黒色や黒褐色の無彩色ですから、色の美しさはありません。フラワー・オブシディアンでは白い花模様が魅力的です。この白色の花模様はクリストバライトと呼ばれている結晶です。天然ガラス中のシリカ(SiO2)が結晶化したものです。
レインボー・オブシディアンでは左右に少し石を傾けると、地色の黒色の中に弱いゴールドの色などが見られ、対比の色(黒色とゴールド色など)の美しさがあります。
3.耐久性
モース硬度は5です。ですから、日常の使用で少々スリ傷が発生します。しかし、黒色の不透明な石のためスリ傷が目立つことはありません。
本体はガラス構造ですから劈開は存在しません。そのため特定の方向で破損することはありません。ただし、ガラスは衝撃に弱い性質があり、打撃を受けると小さな欠けが発生する傾向にあります。
4.原石形状
天然ガラスは塊状で産出します。天然ガラスは非結晶(非晶質)であり、結晶のような平らな面はありません。
5.鑑別
天然ブラック・カルセドニーや人工のブラック・ガラス(模造石)が似ています。
この両者とも一様な外観ですから、フラワー・オブシディアンやレインボー・オブシディアンと識別はできます。
オブシディアンの外観が黒色のみの場合は識別が難しくなります。表面に流紋模様が見られたら、オブシディアンです。見られない場合は専門の器具や装置を使用する必要があります。
6.その他
(1)化学組成:一定の組成を保有していません。SiO2やAl2O3、CaOなどで構成されています。
(2)産出国 :アメリカ、イタリア、日本など。
(3)日本名(和名):黒曜石(こくようせき)。