１．外観特徴
水晶は多くの人に知られている代表的な石のひとつです。水晶と聞けば、平らな面で囲まれた無色透明な結晶を思い浮かべる人が多いと思います。
現在、ほとんどの宝石名はカタカナ表示（英語名をカタカナで表示）です。その中にあって水晶は和名（日本語名）で表示される数少ない石です。
水晶は英語でロッククリスタル（または中点を付けて、ロック・クリスタル）と呼ばれています。
最近では水晶をロッククリスタルと表示して販売していることもあります。段々と水晶と表示することが少なくなっていくかも知れません。
水晶は無色透明です。原石の代表的な形は六角柱状で端面が六角錐です。自然が創り出した造形美に驚かれる人も多いです。
２．美しさの理由
ロッククリスタルの美しさは、透き通る透明性にあります。高い透明性は神秘的な感じを与えます。無色透明であることは、インクルージョン（内包物、異物）が極めて少なく、不純物（鉄分など）もほとんど含まれていないことを意味しています。
３．耐久性
モース硬度は７です。宝石の耐久性について、硬度７以上が望ましいとされています。ですから、水晶は適合しています。耐久性に影響を及ぼす劈開（へきかい）について、水晶は目立つ劈開の性質を持っていません。総合的な判断として、水晶は耐久性があると言えます。
４．原石形状
無色透明な美しい結晶で産出することも多いです。六角柱状で端面は六角錐です。
六角柱の表面にはしばしば複数の水平な線（筋）が見られます。この線は条線と呼ばれています。
５．鑑別
水晶の模造石としてガラス製品が挙げられます。両者の識別にはダブリングを観察することが有効です。水晶のダブリングは小さいですから、少々のスキル（技能）が必要です。
６．その他
（１）化学組成：ＳｉＯ２（二酸化ケイ素）。
（２）産出国 ：ブラジル、アメリカ、スリランカなど。
（３）備 考 ：ハーキマー・ダイヤモンドと呼ばれている石は、アメリカ産の良質な水晶のことです。両端面が六角錐です。