1.外観特徴
ジュエリーに使われているほとんどのダイヤモンドは、無色透明(ホワイト、カラーレス)です。その中にあって、淡いピンク色の小粒のダイヤモンドはかわいらしさと優しさを演出してくれます。
ピンク・ダイヤモンドは小粒でも輝きを放ち、中石に使用しても、脇石に使用しても存在感があります。
2.美しさの理由
ダイヤモンドの生命線は輝きです。この輝きが美しさの源泉です。小粒のピンク・ダイヤモンドも充分な輝きを持っています。
ホワイト・ダイヤモンドに見慣れている人は、ピンク色のダイヤモンドに希少性と美しさを感じ取ると思われます。
ダイヤモンドがピンク色に発色する理由は、ルビーやエメラルドなどの宝石の発色と異なります。不純物が存在することによる発色ではありません。
ピンク・ダイヤモンドの発色は、結晶構造の歪み(ディストーション、Distortion)によると推測されています。ダイヤモンドが生成された後、再び高い圧力と高い温度を受けて構造が歪んだものと考えられています。
3.耐久性
ダイヤモンドのモース硬度は10です。劈開の特性はありますが、耐久性は充分であると言えます。
4.原石形状
一般的には平らな結晶面を持つ八面体で産出します。
5.鑑別
市場にはピンク・キュービック・ジルコニアがたくさん出回っています。一目見ただけでは識別できません。ルーペ(10倍)でガードルの厚さやカット面の対称性を観察することでほぼ識別できます。
6.その他
(1)化学組成:C(炭素)。
(2)産出国 :オーストラリア[世界の95%近くを産出するアーガイル(Argyle)鉱山が有名です。現在は閉山されているようです。]
(3)備 考 :オーストラリア産やロシア産のピンク・ダイヤモンドはⅠa型です。
ブラジル産や南アフリカ産などのピンク・ダイヤモンドはⅡa型です。