1.外観特徴

約20年前から黒色のブラック・ダイヤモンドが注目されるようになりました。従来は無色透明(ホワイト、カラーレス)なダイヤモンドが主力でした。
ところが、ホワイト・ダイヤモンドとブラック・ダイヤモンドを併用したジュエリーはより訴求力があり、よりファショナブルなため多くの消費者に受け入れられました。また、ブラック・ダイヤモンドのみを使用したジュエリーも支持を集めるようになりました。女性だけでなく、男性も使用するようになりました。
ダイヤモンドは最高の硬度を持っており、長期の日常使用でも表面の強いテリ(輝き)は損なわれません。この点は他の宝石と大いに違うところです。

2.美しさの理由

ブラック・ダイヤモンドと他の黒色石(ブラック・トルマリン、ブラック・スピネルなど)を比較すると、表面のテリが異なります。ブラック・ダイヤモンドの表面は強い輝きを放っています。
強いテリを示す理由は、ダイヤモンドが有する大きな屈折率(2.42)に原因しています。屈折率が大きいと反射率も追随して大きくなります。

3.耐久性

ダイヤモンド自体は衝撃には余り強くありません。しかし、日常的に受ける耐スリ傷性には極めて強いです。総合的に判断して、ブラック・ダイヤモンドは充分な耐久性を持っていると言えます。

4.原石形状

塊状(無処理用の天然原石)または八面体(黒化処理される天然原石の理想形)。

5.鑑別

流通しているほとんどのブラック・ダイヤモンドは黒化処理されたものです。天然の低品質ダイヤモンドを放射線処理、加熱(真空下で加熱)処理してブラック・ダイヤモンドに改変しています。天然の無処理のブラック・ダイヤモンドも存在します。
合成ダイヤモンドも黒化処理されています。ブラック・ダイヤモンドの鑑別は専門機関の装置(FTIRなど)が必要です。

6.その他

(1)化学組成:C(炭素)。
(2)産出国 :ジンバブエ、南アフリカ、オーストラリアなど。
(3)備 考 :ブラック・ダイヤモンドは宝石業界でカラー・ダイヤモンド(ピンクやイエローなど)の一種に分類されています。

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