1.外観特徴

橙赤色を中心に赤色、赤橙色、黄赤色で全体が均質(一様)な半透明の石です。カルセドニー(玉髄、ぎょくずい)に分類される石です。
古代のギリシャ、ローマ時代から使われていた歴史があり、世界で広く豊富に産出することから、現在でもアクセサリーの石として多用されています。
カーネリアンは半透明のため、優しく柔らかな雰囲気を感じさせます。一般にオーバル・カボッション・カットされることが多いです。

2.美しさの理由

赤色系の優しい雰囲気に魅力がある石です。赤色の発色は鉄(Fe)元素に原因しています。優しい雰囲気は半透明に起因しています。
赤色をより強く出すために古くから加熱処理が行われて来ました。現在では染色処理も行われています。

3.耐久性

モース硬度は6.5から7です。耐スリ傷性はほぼ持っていると言えます。耐衝撃性はかなり高いです。カーネリアンは微細粒の集合体です。ですから、衝撃に対して緩和する構造で、さらに亀裂が伝播しにくい構造になっています。
この石は強い耐衝撃性を持っていますので、古くから彫刻素材として重宝されて来ました。

4.原石形状

塊状で産出します。平らな結晶面は持ちません。

5.鑑別

比較的安価な石ですから、合成石はありません。技術的にも合成は難しいです。市場にはガラス製の模造石が流通しています。
ルーペ(10倍)で内部を観察すると、カーネリアンではしばしば縞模様が見られます。ガラスではスワール(脈理)や泡が見られます。

6.その他

(1)化学組成:SiO2(シリカ)。
(2)産出国 :ブラジル、インド、マダガスカルなど。
(3)備 考 :カーネリアンと共にサード(Sard)という用語も使われています。この石は褐色、茶色系統です。カーネリアンの和名(日本名)は紅玉髄(こうぎょくずい、またはべにぎょくずい)です。

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