柑橘系のレモンというより、昨今は歌謡曲の「Lemon」を思い浮かべる方が多いかもしれません。酸味が強く酸っぱいだけ、でもどこかそのぷっくりしたフォルムは愛らしく私達の心をくすぐります。
さて皆さんはそんなレモン色の宝石をご存知でしょうか?シトリンでもトパーズでもない、すっきりした淡い黄色のレモンクォーツを今回はバッサリメス入れしていきたいと思います。
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レモンクォーツは宝石名じゃない!その特徴に別名、価値を検証
身近な存在であってもあまり目に留めることがない、手に取ることがない宝石があります。アメジストにシトリン、パワーブレスレットで有名なローズクォーツは人気がありますが、レモンクォーツはそこまで大きな注目は浴びない比較的地味な宝石といえます。
しかしハチミツレモンを思わせるフレッシュイエローはなかなか高い美的要素を持っていることは確か!ここではそんなレモンクォーツの特徴を解説していきたいと思うので、ぜひ最後までお読みください。
レモンクォーツは石英でありシトリンの仲間である
まず気を付けてほしいことについてですがレモンクォーツは石英の一種であり、独立した宝石名ではありません。クォーツつまり石英はその色合いによって異なる呼び名があり紫のものはアメジスト、イエローのものはシトリンなどがいい例ですね。
今回ご紹介するレモンクォーツはシトリンよいもハッキリとした黄色味を示しており、通常はスモーキークォーツに放射線を処理、または加熱処理をすることでレモン色を呈するようになりそれをレモンクォーツと呼んでいます。
クォーツの多くは人為処理が行われていますが、無処理の天然イエロークォーツは少なくあまりお目にかかることはありません。この場合の天然イエロークォーツは硫黄が黄色を呈する色素決定要因になっており、まるで都市伝説のようにレモンクォーツを削ると硫黄の何とも言えない香りが漂うとも言われています。
実際匂いを嗅いでみる機会こそほとんどないと思いますが、通常は放射線または加熱処理を施したものがレモンクォーツとして流通していると言っていいでしょう。なおシトリンはイエロークォーツと呼ばれますが、レモンクォーツの場合はサルファークォーツまたは硫黄水晶などとの別名もあります。
なお鑑別に出す場合は前述のようにレモンクォーツという宝石名ではなく、あくまで石英(クォーツ)としての鑑別結果がでることも覚えておきましょう。
レモンクォーツ気になるその価値について
肌馴染みがいいと鉱物愛好家は手持ちのレモンクォーツをジュエリーに加工する方も少なくありません。さてそこで気になるのがレモンクォーツの価値について。
ロッククリスタル、アメジストにシトリン、ローズクォーツなどの石英はその知名度、美しさの割には比較的手の届きやすい値段帯の物が多いですが、レモンクォーツに関してもその傾向はそのまま当てはまります。
基本的に二酸化ケイ素を主体とした非常にポピュラーな鉱物であり世界のあちらこちらで産出される為、レモンクォーツに関してもコストパフォーマンスは高いのが常。
人為処理がなされているレモンクォーツが市場に出ており、そのカットの特殊性とカラットの重量にもよりますが数百円から高くても数千円程度で大きめなルースを手にすることが可能です。
ただし非加熱、非照射の天然レモンクォーツはそもそもほとんど見かけることは無い為、それらが市場に出た場合はそれなりのお値段が付けられることも少なくありません。
K10YG レモンクォーツ アメリカンピアス
レモンクォーツを楽しもう!あなたはリング派、それともピアスにブレス?
レモンクォーツのジュエリー、と聞いても正直あまりピンと来ません……。しかし実際はそのモース硬度にバラエティーに富んだ研磨はジュエリー加工に向いており、日本人女性にとっても合わせやすいジュエリーとして人気を博しています。
ここではレモンクォーツのジュエリーについて触れていきたいと思うので、レモンデビューをしたい女性の方は必見です。
大ぶり、かつファンシーカットを大胆に!それがレモンクォーツの醍醐味
レモンクォーツはブランドやメーカーでもジュエリーとして加工されていますが、ジュエリーデザイナー作品でもレモンクォーツは大変人気が高いことで知られています。
まずその透明感とキリッとしたハニーイエローは黄色人種であるアジア人女性の肌にマッチすること、そして大粒なカラットのルースは特に宝飾品加工向き。イエローダイヤモンド等では実現できないカラットに、斬新なファンシーカットを施すことで、一種の彫刻作品のような側面を覗かせます。
実際に販売されているレモンクォーツジュエリーを見てみると、そのビビッドな色合いを最大限活かし、メインストーンとしてレモンクォーツをサイドにアメジスト、サファイアやダイヤモンドを合わせたものが少なくありません。またさざれ状のブレスレットやネックレスもよく見かけます。
レモンクォーツという宝石としての価値に重きを置くのではなく、あくまで宝飾品としての美しさ、デザインの幅を追求するのならば、レモンクォーツをメインにしたジュエリーはダイナミックかつ手頃な値段で楽しめる最適のファッションツールになることでしょう。
なおモース硬度に劈開性の面から見ても、日常使いに適した宝石と言えるので、特別なケアが必要ないことも一つのメリットと言えます。
心葉 ローズクォーツ ホワイトトパーズ ネックレス K10
まとめ
クォーツの中でもアメジストやシトリンの影に隠れて、イマイチ存在感を示せないのがレモンクォーツ。
鉱物学的な価値やレア度こそ高くないものの、キリっとした明るいイエローはジュエリー映えするものも多くお洒落度が高い女性でもTPOに合わせて楽しむ方が多いようです。
ユニークなファンシーカットに5カラットを超える大胆不敵な存在感溢れる石も手軽に楽しめるので、とにかく手元、首元などをゴージャスに飾りたいという方にはオススメの宝石と言えます。
また彫刻を施したものやルースでもその宝石の美しさを楽しめるので、ちょっとしたコレクションアイテムとして集めてみるのもいいかもしれませんね。
K18YG ルチルクォーツ ピアス