琥珀色という言葉があります、そう黄色というよりは黄金色にまったり輝く色合いのこと。琥珀のジュエリーと言えばネックレスにリングなど様々ですが、その落ち着いた美しさがゆえに特に年配の女性に愛されている宝石です。

今回はそんな琥珀の魅力を再発掘!気になる琥珀の由来から、その魅力、身に着ける上での注意点までを徹底検証していきたいと思います。

琥珀とは?アンバー?その正体は生物由来の樹液の化石だった!

非結晶系、しかも有機物である、宝石としての定義外にある琥珀ではありますが、その美しさがゆえ古来から宝石として扱われています。琥珀は和名でありますが、アンバーという英語名でも一般的に知られている非常に馴染みの深い宝石です。

ここではそんな琥珀の特徴からその伝説までをご紹介していきたいと思うので、そのはちみつ色に輝く悠久のロマンをぜひ感じ取って頂ければ幸いです。

飴色の琥珀は紀元前3700年に遡る天然の宝石!?

琥珀は非常に長い長い歴史を誇る生物由来の宝石として知られています。前述での少しお話しましたが、琥珀は厳密には鉱物ではありません。簡単に琥珀を説明すると、つまり大昔の樹木の免疫系である樹液が化石化したものです。

古くは紀元前3700年前と思われる琥珀も見つかっていますが、琥珀として化石化するまでには長い年月を有することはもはや想定内。地中に分解されることなく硬化していくその過程に大自然の神秘を感じずにはいられません。

皆さんも見たことがある方もいると思いますが、琥珀の中には虫や植物、気泡などが盛り沢山に混入されていることも少なくなく、最近はあのアンモナイトを内包した琥珀も発見され好奇心の扉を叩くニュースとして考古学、宝飾業界を驚かせました。

琥珀はイエロー、ゴールドだけでなく、オレンジ、レッド、ブルーの琥珀など、そのカラーヴァリエーションは多く、昨今は熱処理、染色等のトリートメント処理をすることで、グリーンやピンク色の琥珀も作られています。

琥珀の産地と各地に伝わる伝承

琥珀の主な産地はバルト海沿岸の国々でポーランド、バルト三国として知られるエストニア、ラトビア、リトアニアが有名です。特にポーランドの琥珀は質、量とも最高峰の物が多く、琥珀産出の母国と言っても過言ではありません。

日本でも少ないながらに岩手や千葉県などで産出されることでも知られています。

琥珀はトルマリンと同様に帯電効果があり、こすると静電気が発生することからも、昔から不思議な力を持っていると考えられていました。タリスマンやカトリック信者のロザリオなどにも使われてきましたが、古代ギリシャから中世期まではヒーリング効果があると信じられ重宝されたそうです。

一種の夜泣きや歯痛にも有効とされ、中国の伝統医学においてはトランキライザーとしても使われる生薬としても知られています。このように琥珀は非常に古い時代から人々の生活に寄り添う形で存在し続け、今もその意味を大きく変えずにお守り的要素として珍重されているのです。

松脂に閉じ込められたロマンとDNA解析

皆さんも映画ジュラシックパークを見たことがあれば、ピンとくる方もいるかもしれませんね!

ジュラシックパークでは恐竜の血を吸ったと思われる蚊から、その恐竜のDNAを抽出しようとしたロマン溢れるストーリーでしたね。確かに実際に生きた生物がその姿形を残して琥珀内にとどまっているのなら、なんとかDNA解析もできそうです。

実際ジュラシックパークの映画が作られて既に30年近く経過しており、現代のモダンテクノロジーであれば、数千年前の動植物のDNAを解析できるかもという希望が湧いてきます。

恐竜とまではいかなくとも、その時代に生きていた絶滅種のDNAがわかれば、琥珀は単なる松脂の化石ではなく、人類の進化を紐解く重要なツールになるはずです。

しかし実際は現代の技術を持っても、崩壊が進んだDNAの解析をすることは難しく、6000万年以上前という気が遠くなる時代に生きた恐竜復活の夢は、映画と同様に令和の現代においても不可能だそう。

なんだか残念なお話でしが、実際恐竜のDNAが解析され現代によみがえってしまったら、それはそれで太古のロマンが消え去ってしまう、そんな気がするので私たちは琥珀を見つめながら時間旅行を楽しむ程度でちょうどいいのかもしれませんね。

琥珀を身に着ける上での注意点まとめ

琥珀はジュエリーとしても人気で、味わい深いネックレスやペンダントを持っているという方も多いのではないでしょうか?

ここでは琥珀を取り扱う上での注意点について解説していきたいと思うので、こちらもぜひ目を通してみてください。

硬度の脆さがゆえに取り扱いは慎重に!

琥珀は非常に脆いことで知られているのをご存知でしょうか?宝石の硬さを測る指標としてモース硬度というものがありますが、琥珀のそれは2~2.5程度。

この硬さをわかりやすく例えるならば、指の爪、コインでこすれば、アッと言う間に擦れてしまうそんなレべルの危うさです。因みにジュエリーとして人気のサファイヤやルビーのモース硬度は9、ダイヤモンドは10を誇り、いかにその取扱いに注意が必要かわかって頂けたと思います。

その為ジュエリーや数珠などに加工された琥珀を身に着ける際は、どこかにぶつけたり、落としたりしないように細心の注意を払わなければなりません。太陽光で変色してしまうことはあまりありませんが、高温に晒される状況下での長時間の着用は念のため控えましょう。

汗や皮脂の汚れ等が気になった場合は、超音波洗浄機や中性洗剤は使用せず、軽く水洗いをしてから柔らかな布でふき取るようにしてください。

まとめ

今回は琥珀の魅力について解説していきました。

ここまで古い起源があるなんて、なんだかロマンを感じてしまいますね。最近では温かな黄金色よりも、ハニーイエローの琥珀も人気があるので、ぜひお気に入りのマイアンバーを見つけてみてはいかがでしょうか?

その扱いには若干神経質にならなければなりませんが、琥珀が歩んできた長い歴史を感じながら、古代の化石と共に楽しむのも素敵ですね!

本稿は無断転載禁止です。ヴィサージュジャパン 株式会社