ダイヤモンドを最も美しく見せる形

ほとんどのダイヤモンドは同じ形をしています。上から見ると円形で、横から見ると下側は三角形で、上側は台形です。独特の形をしています。ダイヤモンドはなぜこのような形になっているのでしょうか? 
このような形にする理由は、ダイヤモンドを最大限に「美しく」見せることにあります。
私達がダイヤモンドを見て、美しいと感じる理由は3つあると考えられています。その最大の理由は「ブライトネス」にあると考えられています。上からダイヤモンドを見たとき、白く光り輝く現象(状態)です。日本語では光輝と呼ばれています。
このブライトネスを最大に引き出すには、上から入った光を全部(ほぼ全部)、元に返す工夫が必要です。

古くから多くのダイヤモンド・カッター(研磨職人)が、より美しく輝くダイヤモンドを求めて努力してきました。長い歴史を経て、1919年、アメリカの数学者(研磨職人)・トルコフスキーはアイデアル・カット(アイデアル・メイク)(理想カット)を発表しました。
このアイデアル・カットでは、ダイヤモンドのキュレット部(先端部)の角度は、98.5度です。この角度にすると、上から入った光はすべて元に戻ることになり、まぶしく光り輝く現象が得られます。キュレット部の角度が98.5度より小さくても、より大きくても光は外に逃げていきます。(下図参照)

計算し尽くされた98.5度の美しさ

ダイヤモンドの最大の特長であるブライトネスは、キュレットの角度を98.5度に保つことで最大になります。
そして、ダイヤモンドをより美しく見せるには、ファイア(虹色)が必要です。より強いファイアが得られるように上側(クラウン)にファセットを付ける必要があります。 
クラウン部と水平線が作る角度も最適角度が計算されています。
さらに効果的なシンチレーション(動的光輝、キラメキ)も必要です。キラキラと光る効果も必要です。そこで、ファセットが追加されます。ファセットを限りなく増加させれば、良いというわけではありません。ファセットが小さ過ぎると、キラキラ感が低下する、ということが経験的に判っています。

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