1.外観特徴

鮮やかな青色から緑青色、青緑色、緑色の透明な宝石です。当初、ブラジルのパライバ州で産出したことから、この名前で呼ばれるようになりました。
良質なパライバ・トルマリンは、きわめて鮮やかな蛍光色の青色や緑青色を示す魅力的な宝石です。
基本的に微量の銅(Cu)とマンガン(Mn)を含有しているなら、アフリカ産の
トルマリンでもパライバ・トルマリンと呼ばれています。

2.美しさの理由

パライバ・トルマリンの鮮やかな青色は、ブルー・サファイアの青色と違って、明るいビビッドな青色です。発色の原因は、微量に含まれている銅元素とマンガン元素です。ブルー・サファイアの発色は鉄とチタンに因るものです。ですから、両者の発色原因は異なります。

3.耐久性

トルマリンのモース硬度は7.5です。耐久性の目安となるモース硬度は7です。ですから、トルマリンは日常使用に耐える硬さを備えています。
パライバ・トルマリンの色は日光などに晒(さら)されても退色することはありません。長期に安定しています。

4.原石形状

トルマリンは独特の形をして産出します。断面が三角形で長く柱状に伸びた結晶として産出します。トルマリンは結晶の伸長方向において光を吸収する性質を持っています。ですから、原石の色が薄い場合、テーブル面は伸長方向に直角になるようにカットされます。逆に濃い色の場合、テーブル面は伸長方向に平行にカットされます。

5.鑑別

トルマリンは強い二色性を持つ宝石です。方向を変えて観察すると、色の濃淡がかなり変化します。外観を似せたガラスの模造石では、方向を変えて観察しても、色の変化はありません。

6.その他

(1)化学組成:Na(Li、Al)3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4
(2)産出国 :ブラジル、ナイジェリア、モザンビークなど。
(3)日本名(和名):電気石。

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