1.外観特徴

深青色を背景に白色の不規則な交差模様を示す不透明な石です。比較的歴史の浅い宝石のひとつです。1916年にドミニカ共和国の神父によって最初に発見されましたが、注目されませんでした。その後、1974年に地質学者によって再発見され、ある宝石商がラリマーと命名し、普及に力を入れて、広く知られるようになりました。
この石は「カリブ海の宝石」と呼ばれ、カリブ海の美しい水色に似ていると言われています。
ラリマーはラリマールと表示されることもあります。ラリ(Lari)は人の名前で、マー(mar、マールとも発音)はスペイン語で海という意味です。

2.美しさの理由

変化に富む海の青色を基調にしています。青色が基調ですが、水色、深青色、濃青色、緑青色、薄緑色のラリマーがあります。これらの青色に白色が複雑に交差して、美しさを増しています。
青色の発色は銅(Cu)に原因しています。銅の発色は含有率、自身の価数、鉄などの不純物で変化します。

3.耐久性

ラリマーのモース硬度は4.5~5です。耐久性の目安とされるモース硬度は7ですから、低硬度といえます。表面にスリ傷が発生しやすいですが、不透明石ですから目立つことはありません。この石は衝撃に弱いですので、リングに使用する場合は、貴金属等で衝撃から防御するデザイン処理を施すことが求められます。ペンダント・トップやイアリング、ピアスなどでの使用は問題ありません。

4.原石形状

水晶のような平らな結晶面はなく、塊状で産出します。

5.鑑別

天然産のアラゴナイトを青色に染色処理した石や中国産のセラミック(陶磁器など)が流通しています。鑑別は容易でなく、鑑別機関へ依頼することが無難です。

6.その他

(1)化学組成:NaCa2(Si3O8)(OH)
(2)産出国 :ドミニカ、チェコ、南アフリカ。商業的産出国はドミニカのみ。
(3)日本名(和名):青ソーダ珪灰石。
(4)参考  :本体はペクトライト(色は無色、白色、灰色など)と呼ばれる鉱物です。ブルー・ペクトライトはラリマーと呼ばれる宝石になります。

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